土間空間
有限会社 デジタルコンテンツ 代表/映像作家 山崎 一
昭和35年に天井と床を張り、洋間に改修して生活空間としていたが、平成24年に、明治27年に描かれた屋敷絵図を元に大規模な修復工事が行われた。 その際に天井と床をはがし、雄大な梁組をあらわし、土間空間を復活させた。 現在は展示空間、イベント会場として活用されている。
大梁には松の大木が使われている。 梁の断面は野材に近い状況で、経年の度合いを考えても古式である。 京町家の構造形式と基本的に同じ形式であり、京都の町家大工が手がけた民家建築ではないか、と推測される。
平成24年の復元工事の際、明治10年ころの姿を復元した。 現在は消防法上使用できないが、当時は煙突が屋根まで伸び、家族、男衆、女子衆さんの食事もまかなっていた。
煙突の掃除口で、灰の取り出し口。常に「火の用心」の心構えの重要さを示している。 台所の灰は、完全燃焼した質のよい灰で、火鉢などに再利用されていた。
平成24年の復元工事の際、明治10年ころの姿を復元した。